最近、ニュースメディアでタワーマンション(タワマン)を否定的に捉える記事が多くなってきた。13年前に私がタワマンに関して疑問を呈する記事を書き始めた頃は、同様の見解を目にすることはほとんどなかったので隔世の感がある。
その間、一体何が変わったのだろう。
まず、タワマン自体が大量に市場に供給された。2022年1月に東京カンテイがリリースした資料によると、東京都内のタワマンストック数は458棟。そのうち「築10年以内」は148棟。タワマンの建設ブームは00年あたりから始まっている。08年のリーマン・ショック後には一時的に減少したが、その後は着実に開発が行われてきた。供給エリアは今や全国に広がる。
そんな中で、「タワマン懐疑派」の存在がジワジワと増えている様相がみえる。インターネット上のニュースメディアで見かける否定する記事が日々増殖しているのが、その証左だろう。そういった記事のコメント欄もそれなりににぎわっている。
一方、タワマン自体の売れ行きは悪くない。
13年以来、その資産価値は上がり続けている。この10年以内に新築タワマンを購入した場合、資産価値の下落に悩む人はほとんどいないはずだ。中古として売却できる価格は、新築購入時を上回っているケースも少なくない。
つまり、最近の新築購入者は、かなりの人が「儲かっている」状態にある。実際に売却して譲渡益を出した人も多い。