東京六大学春季リーグで立大は23日、明大3回戦(神宮)に延長11回、0―1でサヨナラ負け。このカードで勝ち点を取れば2017年春以来の優勝だったが、明大に優勝を許した。今秋ドラフト候補で12球団注目の〝打てる内野手〟山田健太内野手(4年)は4打数1安打だった。
183センチ、86キロの体格がまとう背番号「10」は神宮のグラウンドによく映える。「4番・二塁」で先発した山田は先頭打者で迎えた2回に中前へと痛烈に弾き返す安打で出塁。1死後に二盗と足でも魅せた。
第2打席以降の3打席はいずれもフライを打ち上げ凡退。歓喜に沸く明大ベンチを見届けた後、「キャプテンとしても、4番バッターとしても、自分の思い通りの結果、満足のいく結果というのは出なかった。キャプテンの差です」と悔しさもあらわ。今季は全12試合の出場で打率・310、0本塁打、4打点。圧倒的な打棒を発揮したとは言い難い。
それでも、移動前の時間を押して視察に駆け付けた日本ハム・大渕隆GM補佐兼スカウト部長(52)は「魅力はあの体で動けること。ヒットもよかったが、その後に盗塁も決めている」と潜在能力の高さを評価する。
大阪桐蔭高では根尾(中日)、藤原(ロッテ)らと春夏3度の優勝を経験。立大でも1年春からレギュラーとして出場とエリート街道を突き進み、中止となった3月の侍ジャパン強化試合、台湾戦には日体大・矢沢宏太投手(4年)とともに大学生として異例の抜擢(ばってき)をされていた。
一方であるスカウトは「コロナで試合数が少なかったとはいえ、大学での最高成績が1年春(打率・375、2本塁打、7打点)というのが寂しい。すでに出来上がっているという印象も受ける」と伸びしろに疑問符を投げかける。
うがった見方を覆すには、秋のリーグでの打棒爆発が必要だ。 (片岡将)