ジョー・バイデン米大統領は23日、岸田文雄首相との首脳会談に臨み、日米同盟の強化に加え、米国主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の設立を宣言した。共同記者会見では、中国が台湾を攻撃した場合、軍事的措置で台湾防衛に関与すると明言した。ロシアによるウクライナ侵攻を許した教訓が感じられた。24日には、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」首脳会合が開催されるが、懸念もある。オーストラリアでは「親中的な歴史」を持つ労働党が政権を奪還した。インドは対中姿勢では一致するが、ロシアとの関係が深く経済制裁に参加していない。自由主義陣営の結束は大丈夫なのか。
「『台湾有事』にならないよう、中国にしっかりとしたメッセージを出していかなくてはならない」
バイデン氏は日米首脳会談で、岸田首相にこう語りかけたという。
共同記者会見での、バイデン氏による「台湾防衛への軍事的関与」発言について、ホワイトハウス当局者は政策変更を否定しているが、米歴代政権の「あいまい戦略」からの転換を示唆したと言えそうだ。
現に、日米両首脳が発表した共同声明も、「東シナ海でのあらゆる一方的な現状変更の試みや、南シナ海での中国の埋め立て地の軍事化などに強く反対」「台湾海峡の平和と安定の重要性」は「国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である」とし、これまでより踏み込んだ表現になった。