日本の核戦略

米国が保証する「核の傘」のリアルを直視せよ! いかなる首相もその機能を尋ねない無責任さ はたして自衛隊が守る離島のために報復するのか2/2ページ

東京は中国に近い。東京が核攻撃されれば、米戦略軍司令官に第一報が届くとき、東京はすでにない。首都が壊滅した日本に同盟国としての価値はない。中国の戦略核はワシントンを狙っている。そこで反撃の許可を求める米戦略軍司令官に米国大統領は「ちょっと考えさせてくれ」というのではないか。そうして米中停戦協議が始まり、アジアに平和が回復されれば、東京の消えたアジアの平和が実現する。

米軍の友人は「そんなことはあり得ない。何人の米国人、特に米軍人が日本にいると思っているのだ。米軍人は、同胞、特に同僚を殺した敵を絶対に許さないから安心しろ」という。武士の言葉である。信じるに足る。

しかし、自衛隊が守る離島の基地が、中国の小型核で攻撃されたり、核で恫喝(どうかつ)されたらどうだろうか。米国は、必ず核で報復するとは言わないだろう。「抑止の方法は色々ある。反撃の方法も色々ある」と言うだろう。

ならば、どうするのが一番安全なのか。日本は深い太平の眠りから覚めねばならない。

■兼原信克(かねはら・のぶかつ) 1959年、山口県生まれ。81年に東大法学部を卒業し、外務省入省。北米局日米安全保障条約課長、総合外交政策局総務課長、国際法局長などを歴任。第2次安倍晋三政権で、内閣官房副長官補(外政担当)、国家安全保障局次長を務める。19年退官。現在、同志社大学特別客員教授。15年、フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章受勲。著書・共著に『戦略外交原論』(日本経済新聞出版)、『安全保障戦略』(同)、『歴史の教訓―「失敗の本質」と国家戦略』(新潮新書)、『自衛隊最高幹部が語る台湾有事』(同)など。

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