が、米国主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足を宣言した場所は日本だった。台湾防衛への軍事的関与に関する「イエス」の発言も日本でだった。
失礼な表現になるが、「韓国メディアの〝愛国・反日〟型の偏頗(へんぱ=片寄って不公平なこと)報道に〝飼いならされた韓国人民〟」は、米国大統領が日本より先に韓国に来ることを、「韓国が日本を超えた証拠」とばかりに無邪気に喜んだ。
韓国の多くのメディア報道によれば、米韓首脳会談では、恒久的な通貨スワップに準じる措置が合意され、日米豪印のクアッド本体ではなく、ワーキンググループへの参加の道が開かれるはずだった。
クアッドはそもそも「対中目的」だから、本体に加わるような度胸は韓国にはない。
ところが、ワーキンググループに関しても、米高官から早々と「韓国なんて、お呼びでないよ」とやられてしまった。
米韓共同声明をいくら読んでも、「スワップ」の文字は出てこない。
保守系紙が「尹外交、韓米同盟アップグレードで第一歩を踏み出した」(中央日報5月23日社説)と持ち上げてみても、目は涙ぐんでいるのではないか。