愛知県で開かれた芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」実行委員会が、名古屋市に未払いの負担金約3380万円を支払うよう求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は25日、請求通り全額の支払いを市側に命じた。激しい抗議を受けた、昭和天皇の写真をバーナーで焼き、灰を足で踏み付けるような映像作品について、地裁は「ハラスメントや違法なものだと断定できない」と指摘した。この判決は、市民や県民、国民の理解を得られるのか?
注目の判決を受けて、名古屋市の河村たかし市長は同日、「判決は著しい事実誤認。こんなことに税金を使われたら怒る人がたくさんいるだろう」「(控訴については)弁護士と相談する」と記者団に話した。
昭和天皇に関する映像作品については、明治天皇の玄孫で、作家の竹田恒泰氏が2019年10月、夕刊フジへの緊急寄稿で、「昭和天皇のご長男の上皇陛下や、孫の天皇陛下をはじめ皇族方は、どのようなお気持ちで、この動画をごらんになったであろうか、察するに余りある」「皇族に限らず、誰でも自分の大切な家族の写真が焼かれて踏まれる動画を見たら、深く傷付くに違いない。多くの国民がこの動画で深く傷付いた」「昭和天皇は、憲法で『日本国』『日本国民統合』の象徴と規定される天皇であらせられた。天皇への侮辱は国家への侮辱であり、国旗を焼くパフォーマンスと同じ要素を持つ」と指摘している。
一方、実行委員会会長である愛知県の大村秀章知事は「私どもの主張が認められた妥当な判決だと受け止めている」とのコメントを出した。