日本の核戦略

核シェアリングの方法(上) 中国の核恫喝が現実に…日本の政治家はもはや逃げ回れない 「核を持ち込めば、敵の核に狙われる」は無知な議論 1/2ページ

安倍元首相は「核抑止の議論」が必要と訴えた=4月21日、夕刊フジ主催の憲法シンポジウムで
安倍元首相は「核抑止の議論」が必要と訴えた=4月21日、夕刊フジ主催の憲法シンポジウムで

安倍晋三元首相が、日本も米国との「核共有(核シェアリング)」などを議論すべきだと主張した。戦後、日本の指導者が核問題に正面から取り組むべきだと述べたのは、これが初めてである。太平の眠りを覚ます、勇気ある発言だと思う。

「台湾有事」における中国の核恫喝(どうかつ)がリアルになってきた今日、日本の政治家が核問題から逃げ回ることは、もはや許されない。もう一つの広島、長崎を生んだら誰が責任を取るのか。それとも、中国に屈服して台湾戦線から離脱し、3四半世紀にわたりアジアの平和を支えてきた日米同盟を消滅させるのか。

日本独自の核武装は難しい。米国の核抑止力の信頼性を向上させるしかない。「核を持ち込めば、敵の核に狙われる」というのは無知な議論である。ピストルを持った敵にピストルを向けるから撃たれないのである。果物ナイフを持ち出しても、土下座して許しを乞うても、安全は保障されない。

日本は、冷戦中、大陸における巨大な戦車軍団の進軍を核で止めねばならなかったドイツとは戦略環境が異なる。島国の日本は巨大な堀に囲まれた江戸城のようなものである。「核攻撃に対して、核攻撃で報復する」という意思がはっきり見えればよい。

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