カツサンドの下のメニュー「メンチカツサンド」を注文する。
「少々お時間いただきますが」
と、明るい声で若い女性店員は言った。
メンチカツサンド。このテイクアウト専門のサンドイッチ屋で、一度も頼んだことがない。カツサンドばかり。旨いのだ、ここの。
そして店の前で待つこと5分ほど。
5分という時間は、カツ無しショックに乱れた心の波をすっかり静めた。結局、時がすべてを解決する。
失恋の痛手から立ち直らせてくれるのも、結局、時間である。誰の慰めより、どんなアドバイスより。
「お待たせしました!」
メンチカツサンド、来た。器がずっしりと重い。できたての熱さが、手に伝わる。
さて仕事場に戻って、作業机の上で開く。