大前研一のニュース時評

ルノーなど「ロシア完全撤退」でバッシング回避 一方でそのままの企業も…中国やインドの企業は〝知らん顔〟1/2ページ

ロシアから撤退を決めたマクドナルド。プーチン政権崩壊でも戻るかどうか=ロシア・サンクトペテルブルク(AP)
ロシアから撤退を決めたマクドナルド。プーチン政権崩壊でも戻るかどうか=ロシア・サンクトペテルブルク(AP)

ドイツの産業システム大手のシーメンスがロシア事業から完全撤退する。ウクライナ侵攻後にロシアでの新規取引は停止し、人道的な観点からのヘルスケア事業を除く既存事業についても順次縮小をしていた。

2022年1~3月期決算で、関連コストとして6億ユーロ(約800億円)の損失を計上している。そのほとんどは列車製造事業。シーメンスはロシア事業が大きく、約3000人の社員もいる。しかし、撤退しないとバッシングに遭う。背に腹は代えられないということで撤退の決断をした。日本のユニクロは当初、撤収しないということでたたかれた。

米国、英国、ドイツの主要企業の多くがロシアから撤退している。物流がうまくいかなくなったので、考えを改めざるを得ないという面もあるが。

その一方で、そのままの企業もある。フランスの流通業大手、オーシャンやドイツの流通大手、メトロはどちらもロシア国内に多くのスーパーマーケットの店舗を持ち、ロシアでの売上高は世界全体の10%超を占めていることから、いまも続けている。中国やインドの企業は撤退には知らん顔だ。特に軍需産業とか資源関連で多い。

フランス自動車大手ルノーもロシアから完全に引き揚げる。保有するロシア自動車大手アフトバスの株式68%をロシアの自動車研究機関に譲渡する。また、モスクワ工場の全株式をモスクワ市に譲渡する。ルノーは08年以降、アフトバスの株式取得を進めて傘下にした。ロシアはフランス本国に次ぐ第2位の重要な市場だった。

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