西側諸国の経済制裁強化で、ロシアのダメージが致命傷になりつつある。プーチン大統領は強気の姿勢を崩さないが、航空機や高速鉄道などの交通インフラが部品の枯渇で麻痺(まひ)する可能性が高まっている。ウクライナ戦線でもロシア軍は最新兵器が調達できず、半世紀前の旧式戦車を登場させるなど、産業、軍事とも「没落」が加速している。
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欧州連合(EU)は5月30日、ロシア産石油の輸入を禁止することで合意した。年内に90%の輸入が停止される見込みで、プーチン政権に新たな打撃となる。
米ブルームバーグは22日、露航空大手アエロフロートグループが保有する350機以上の航空機について部品不足が迫っていると報じた。大半は欧エアバス社製か米ボーイング社製だという。
米商務省は先月、アエロフロートなど航空最大手3社に部品やサービスの提供を禁止する命令を発した。露経済紙「コメルサント」(電子版)は「2025年までにロシアの航空機の半分以上が解体される」とした。