28歳という遅咲きでデビューするも、32歳でレコード会社から契約打ち切り宣言。あきらめきれず自主制作でCDを出し続け、5年後、見事に返り咲いた。人呼んでリストラ・シンガー。この人の代名詞でもあり、〝勲章〟でもある。
昨年、節目となるデビュー25周年を迎えたが、このコロナ禍。全国ツアーをはじめ、野外イベントなど軒並み中止になった。
「20代はがむしゃら。30、40代は修行のように自分を追い込んでいました。50代に入り、少し立ち止まって考える時間がほしいなと思っていたのは確かなのですが」
立ち止まるにしても自発的ではなく、疫病のパンデミックとは思いだにしなかった。
考える時間はできた。で、やってみようと思いついたのがこれ。
「1カ月に1曲、新曲を作って配信する『マンスリーミュージックショー』でした」
2021年3月から計10曲を作り上げた。
「最初は軽い気持ちだったのですが、途中でちょっと待てよと。新曲を毎月作るのは無謀だと。でも、おかげで曲作りや、なぜ歌うのかを(真正面から)考えることができました」