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都市封鎖解除後、中国人による「脱国」の波発生か 将来に不安訴える市民増加、2カ月続いた監禁状態が大きく影響1/2ページ

中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)の推移
中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)の推移

中国の中流以上の階層といえば、つい最近までは何事も自信を持ち、生活に満足していたものだが、最近は将来不安を訴える市民が増えている。

筆者が早稲田大学大学院で現代経済講座を持っていたときの教え子のY君は、東京で就職した後しばらくして、上海の金融サービス会社に転職した。上海の爆発的とも言えるビジネスの繁忙ぶりをみて、「上海でやりがいある仕事ができるし、大いに稼げる」と希望に胸を膨らませていた。

しかし、つい最近では「上海は息苦しい。やはり東京のほうが安心」と言い出した。彼の住むマンションは米国など海外の就職先に見切りを付けて、上海に活躍の場を求めた若者が多いが、「みんな同じで、上海から脱出したがっています」とY君。

楽観モードから一転した悲観モードには3月末からの新型コロナウイルス感染拡大阻止のための都市封鎖(ロックダウン)が大きく影響したに違いない。高層マンションの部屋に閉じ込められた状態が2カ月近く続いた。肉や野菜、果物を調達するためには、ネットで仲間を募ってまとまった量を店に注文するが、キャベツ1個が1000円以上もするし、朝早く注文しないと売り切れになってしまう。

監禁状態に置かれた中で、若者たちは当局による厳しいネット検閲の網をかいくぐってSNS情報を収集し、発信する。「PCR検査で陰性だと判定されているのに、週に2、3回も受けさせられるのはおかしい」「背後には巨大なPCR利権があるからだろう」「PCR検査用の綿棒にはコロナウイルス菌が仕込まれている」などという具合である。

「利権」というのは、人口2400万人の上海では、PCR検査サービス関連の事業規模が数千億円以上にも上り、共産党幹部の既得権益者がからんでいるはずだという憶測によるが、なるほどありうべし。高まる市民の不満を受けて上海当局は5月下旬に封鎖態勢を徐々に緩め、6月1日にはロックダウンを解除した。上海はもとの日常に戻るのだろうか。

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