まだインターネットが普及してなかった頃のラーメン食べ歩き時代を知らない人も多くなってきたと思う。他の人がみんなそうだったとは言いませんが、私の場合は『職業別電話帳』です。それすら知らない人も出てきそうですが、小さな広告代理店の営業職だった私は首都圏の知らない駅に降り立つと駅前の電話ボックスに行き、職業別電話帳で〝ラーメン店検索〟をします。
ポケット地図を持ち歩いているので、徒歩圏内で行けそうな場所で「ここぞ!」という店名を選択するのです(笑)。そりゃ~当たりハズレは有りますとも。それだけに宝探し的な感じが面白かったのと、宝を見つけたときの喜びは大変な物でした。
そんな店名検索をしていた私からすると、〝ここは行かなきゃ〟と思う新店がありました。それが「月見ワンタンメン専門店 三日月 大森北口店」(東京都品川区)。このお店を作った人のコンセプトがうまいですね。〝ワンタンメン〟で〝三日月〟ですからね。山形県のご当地ラーメン「酒田」をイメージさせておきながら、実はそうではない、という巧みさ。昔ながらの食堂あるいは、老舗をイメージする淡麗系をベースとしながら、〝煮干しブラック〟という今風のキーワードも忘れない。開発担当者にインタビューしてみたいくらい。
その正体は2005年京都で創業し、今や全国100店舗以上を展開する「魁力屋」グループ。これまでは京都風の背脂醤油ラーメンで展開していたが、東日本風のラーメンを出してきたのだ。主なメニューは月見ワンタンメン(淡麗醤油・煮干ブラック)、ワンタンメン(淡麗醤油・煮干ブラック)、とワンタンメン推し。
ランチは半チャーハン+140円、唐揚げセット+190円とお得。逆に夜は小皿中華と〆の一品としてハーフラーメンがある。なかなかよく考えられた構成。頼んだのはトップメニューの月見ワンタンメンを煮干しブラックで。