『夜さ恋ナイター』でおなじみの高知競馬が面白い。土・日曜のナイター開催がすっかり定着。高配当連発の名物競走「一発逆転ファイナルレース」も人気を集めている。
高知競馬のYouTubeチャンネル『ヨルノヲケイバ~高知けいばライブ~』で、その楽しさを発信しているのが、競馬リポーターの大恵陽子さん。『ヨルノヲケイバ・大恵総合研究所』では、様々なデータを駆使して馬券的中へのヒントも提供している。
〝高知競馬LOVE〟あふれる大恵さんに高知優駿の見どころと高知競馬特有の楽しみ方を話してもらった。
記念すべき「第50回」高知優駿
高知競馬3歳馬のメインイベント「黒潮ダービー 高知優駿」が12日に迫ってきました。今年は第50回という記念すべき区切りのレースで、高知3冠の2戦目という位置づけ。1冠目の黒潮皐月賞(ダート1400㍍)は5月1日に行われ、ヴェレノ(牝、父プリサイスエンド)が制しました。
続いて22日に行われた準重賞の山桃特別(ダート1800㍍)も連勝。黒潮皐月賞が5番人気、山桃特別でも5番人気という評価だったのですが、同じ世代の有力馬を2戦続けて破ったのですから、高知優駿では間違いなく中心になります。
そのヴェレノを管理するのは、宮川真衣調教師。昨年暮れにこのzakzakで騎手からの転身をお伝えした〝ルーキートレーナー〟です。「開業4カ月半でダービー制覇成るか-」。それは注目を集めますよね。
宮川真衣新調教師 好発進
宮川厩舎は現在スタッフ2名。初出走が2月8日でした。3月13日にはうれしい初勝利を飾り、4月17日にはダノンハイパワーが宮川実騎手の手綱で勝って、夫婦タッグでの初勝利も達成しています。
門別デビューのヴェレノは馬房の関係で最初はお父さんの別府真司厩舎に入厩しましたが、もともと「真衣ちゃんの厩舎に入れたい」という話があったと聞いています。
晴れて宮川厩舎の所属になった4月以降は②①①着の安定感。追って味のあるタイプなので、あと100㍍延長になる1900㍍も歓迎でしょう。宮川調教師、いや、真衣ちゃんが「ジョッキー時代に高知優駿を勝ってみたかった」と話したことがあります。スタートしたばかりのセカンドキャリアで、早くもそのチャンスが巡ってきたわけです。
ライバルの巻き返しも
正直言って、山桃特別のゴールの瞬間には、内のガルボマンボ(牡、父ガルボ)が残しているように見えました。ヴェレノがハナ差届いていたのも、真衣ちゃんが〝持ってる〟からなのかな~。
それでもガルボマンボのレース内容は〝負けて強し〟。3走前の仙台屋桜特別(ダート1600㍍)ではヴェレノに1馬身差をつけて快勝しています。こちらも距離が延びていいレースぶり。ガルボ産駒で血統登録されている同世代の競走馬は6頭しかいないとのことですから、この馬が勝つようならまたドラマですよね。
黒潮皐月賞、山桃特別と続けて1番人気に推されたアンティキティラ(牝、父シニスターミニスター)は結果2着、7着。ちょっと気性の難しさが出てきた感じです。佐賀、名古屋への遠征で重賞を連勝してきた能力は確かですから、心身ともにどう立て直してくるかがポイントになります。
他地区からの遠征馬も要警戒
高知優駿の特徴は、ダービーシリーズとして地方競馬全国交流にもなっていること。19年から地元勢が3連勝していますが、今年は遠征馬にもマークが必要かもしれません。
大井のコスモポポラリタ(牝、父ロージズインメイ)は重賞連対実績も馬格もあり、大恵総研のデータ的に注目したい1頭。また、東京湾カップ3着の川崎のフレッシュグリーン(牡、父トゥザワールド)も気になる1頭で、小柄ながら高知の深くてタフな馬場に対応できれば、地元馬にも怖い存在になりますね。
大恵総研から馬券的中のヒントを
私が所長を務める「大恵総合研究所」では、『ヨルノヲケイバS~大恵総合研究所~』でメインレースに限らず、馬券検討につながるデータをライブ配信でお届けしています。
例えば、内ラチ沿いの砂厚が14~15㌢と深いことで知られる高知の馬場ですが、レースが進んでいくにつれ、内枠の馬も馬券に絡んでくる傾向を突き止めました(笑)。
実はこれ、レース後の検量室前で取材した、騎手や調教師のみなさんの声でピンときたんです。「夜になって、内(のコース)が使えるようになってきた」と聞いて。それで調べてみたら、数字の裏付けが取れた。現場の人の肌感覚ってすごいですよね。これからも大切にしていきたいところです。
一発逆転ファイナルレースの威力
実力接近で難解なことで知られるファイナルレースは、それだけ当たったときのリターンが大きい。だから人気もありますよね。先日も『ヨルノヲケイバ』の配信中に、競馬アナリストの斎藤修さんが3連単12万馬券を的中させてまさしく大逆転。ファイナルの威力を見せつけました。
大恵総研はそんなファイナルレースを、みなさんと一緒に攻略する番組。少しでも馬券検討のヒントになればと、様々な切り口でデータを深堀りしています。
4月の配信では『濱尚美騎手の最強パターン』を見つけました。勝率33%、ほぼ3着以内に絡んでくれる信頼度抜群のデータで、参考にしていただいた視聴者の方からはチャット欄に「所長、ありがとう」と書き込んでもらって。うれしかったですね。
ファンとの距離が近い高知競馬
高知競馬はそういうコアなデータが生きる競馬場なんです。というのも、所属騎手が24人。このぐらいの人数なら、相性のいいジョッキーも見つけやすいし、自分の勝負パターンもつくりやすいんじゃないかな~。
コンパクトなサークルだから、より私たちにも身近に感じられる。調教師や騎手のコメントも馬券を買うファンの立場になった、メリハリのあるものが多い気がします。ファンを大切にして、ファンとの距離が近いのが高知競馬の特長です。
お近くの方にはライブ観戦が楽しい時季になってきました。スタンドのリニューアルもどんどん進んで、きれいになっていますよ。3階には名物の自動販売機があったりして。飲み物のボタンを押すと、高知競馬のレースのファンファーレが流れるんです。
若い世代や家族連れのお客さまが増えている実感もあります。その手にはスマホで『ヨルノヲケイバ』を観ていただいている--のが、私的には理想ですね~(笑)。
12日、高知優駿の日の『ヨルノヲケイバ』は、競馬キャスターの小堺翔太さんと、キャプテン渡辺さん、Lynn(りん)さんのお3方が出演します。17時からの配信スタート。どうぞ、高知けいばライブをお楽しみください。
◆略歴◆
大恵陽子(おおえ・ようこ) 神戸市出身。小学5年から地方とJRAで競馬ファンとなり、イベントの司会や雑誌などに執筆。高知競馬のYouTube配信『ヨルノヲケイバ~高知けいばライブ~』にレギュラーとして出演中
提供:高知県競馬組合