「最近のワイドショーはウクライナ、知床遊覧船、北朝鮮の話題で回していますが、新たに加わったのがコロナ禍の〝給付金詐欺〟。当初から制度的な問題が指摘されていましたが、不正受給が続々と事件化しています」(ワイドショーデスク)
先日、持続化給付金約10億円をだまし取ったとされる容疑で全国に指名手配されたのは谷口光弘容疑者(47)。警視庁は、谷口容疑者の妻と2人の息子を詐欺容疑で逮捕している。
「ニュースで顔を見たとき、びっくり。さらに10億円という金額に二度びっくりしました」
こう語るのは2020年5月に谷口容疑者と初めて会った自営業者のA氏。知人から給付金申請の代行業者と紹介されたという。当時、谷口容疑者は東京都港区の溜池にある賃貸マンションに事務所を構えていた。
「第一印象は優しそう。給付金について何もわからない私に『こっちでやりますから』と親切にしてくれて、報酬は15万円でしたが、実際にお金をもらうことができましたから、私からすると『いい人』。外見は平凡な太ったおじさん。世間は勘違いしていますが、オラオラ系とは真逆なタイプ。六本木や麻布十番の喫茶店で指導を受けましたが、すごく忙しそうで、カバンは申請書でパンパンにふくらんでいた」
同年10月、A氏は給付金が未申請の友人を谷口容疑者に紹介しようとしたところ、「LINEで『いまはちょっと難しくなってきた』と断られた。同時期、警察が関係者を事情聴取し、谷口容疑者の居所を探していたことがわかり、様子がおかしいと初めて気づきました。しかし手口や詳細はわかりません。その年の暮れに『谷口容疑者がインドネシアに逃げた』という噂を耳にしました。そして忘れた頃に、今回の報道が出たわけです」