財務省はこのほど、東京地下鉄(メトロ)株式のうち政府と東京都保有分の売り出し実務を取り仕切る主幹事証券会社に野村、ゴールドマン・サックスなど日米5社を選定した。メトロの上場日は未定だが、市場関係者の間では、早ければ今年10月の東証プライム市場への直接上場が予想されている。
みずほ、三菱UFJモルガン・スタンレー、BofA(バンク・オブ・アメリカ)も主幹事に選ばれた。今後、野村などとともに、投資家にメトロ株を売りさばく。
大手証券の幹部は話す。「JR4社(東日本、東海、西日本、九州)や日本たばこ(JT)は10月、日本郵政やゆうちょ銀行、かんぽ生命保険が11月に上場だったので、メトロも10月の市場デビューが本線です。大型銘柄の上場決定から上場前後まで、なぜか相場が堅調に推移することで知られており、今夏から秋にかけて、良好な相場が期待できそうです」。
メトロの次に高速道路会社の上場が待っている。主幹事証券としては、メトロ上場で販売力をアピールして、次の主幹事獲得につなげたいところだろう。
【2022年6月1日発行紙面から】