将軍補佐役となった13人との対立を経て、伊豆に流された二代将軍・源頼家(金子大地)は暗殺された。公暁はその頼家の子で幼名善哉。父の死後、叔父の三代将軍実朝の猶子となった。少年期に出家して近江の国の寺で修行していたが、後に鎌倉に戻り、鶴岡八幡宮で庶務をつかさどる別当になる。
事件が起きたのは、建保7(1219)年の1月。実朝が右大臣に任じられたことを祝う儀式のため、鶴岡八幡宮に参詣したところを公暁が襲撃し殺害してしまう。歴史書「愚管抄」によると、公暁が実朝に「一ノ刀」を浴びせた際、「親のかたきをとる」と叫んだのを多くの者がはっきり聞いたという。襲撃後、公暁は三浦義村(山本耕史)に味方になってもらえるように相談したいと使者を送るが、義村は北条義時(小栗旬)に連絡。義時はすぐに公暁を討つように命じ、義村の手勢により、公暁は討たれた。享年20。義時は自ら首実検をしたという。公暁を演じるのは、寛一郎。「鎌倉殿」で上総広常を演じて強烈な印象を残した佐藤浩市の息子だ。一瞬の狂気? 冷静なかたき討ち? どんな「一ノ刀」となるか、話題になるのは間違いない。