睡眠向上やストレスの緩和が期待できるという機能性表示食品「ヤクルト1000」の売れ行きが絶好調だ。主に訪問販売用に2019年10月に発売した同商品と、店頭販売用に21年10月に発売した「Y1000」はいずれも品薄が続く。睡眠に悩みを抱える日本人が少なくないことを裏付けているようだ。
ヤクルト本社広報室によると、増産を予定するのは店頭販売用のY1000で、7月をめどに国内工場に1ラインを新設する。これまで1ラインのみで生産していたため生産体制が倍増することになる。Y1000は当初1日20万本程度の販売目標を掲げていたが「現状の販売数は、販売目標の約4割増で推移している」と担当者。
「ストレスや睡眠は社会課題としても認識されていたので、まだ市場としては大きくなかったが、解決に貢献したいという思いで商品化した」と開発の経緯を語る。
厚生労働省が今年1月に発表した21年度版の健康実態調査によると、睡眠の質について男女1344人のうち「寝つきに時間がかかった」「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」など睡眠の質に不満を抱える回答者は計80・6%にのぼった。
生活習慣を見直すことで睡眠にまつわる悩みを解消する手段もある。
高齢者を中心に睡眠障害の治療に取り組み、生活総合情報サイト「オールアバウト」のガイドとしても睡眠に関する情報発信を行う「雨晴クリニック」の坪田聡院長は「睡眠の質は光に影響を受けやすく、スマホやパソコンなどの使用は眠る30分前には控えたい。日中にはしっかりと日光などを浴びることでメリハリが生まれ、入眠しやすい」と解説する。