北朝鮮が5日に弾道ミサイル8発を発射するなど、今年に入ってミサイル発射を繰り返している。核実験の準備も進めているとされるが、その戦略や狙いは何か。
5月24日、中国とロシアの爆撃機計6機が日本周辺を共同飛行した。この日、日本、米国、オーストラリア、インドの「QUAD(クアッド)」首脳会合が東京で開催されていた。
翌25日、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)と短距離弾道ミサイルを発射した。これは米国と日本、韓国を攻撃できる能力を示したものといわれている。クアッドに対抗する中露に、北朝鮮も加えてほしいという意思表示ともみえる。
このミサイル発射は国連決議違反である。26日、国連安全保障理事会で、北朝鮮への追加制裁決議案の採決が行われたが、中国とロシアが拒否権を行使し否決された。これまで中露は、北朝鮮のミサイル発射について国連で非難決議を否決しなかったが、ついに北朝鮮側についた格好だ。
ロシアのウクライナ侵攻は、世界の経済事情を大きく変えている。一言でいうと、新冷戦での経済デカップリング(分断)だが、民主主義国と専制国家の分断が進んでいる。その典型例はエネルギーだ。
ここ半世紀の間、石油・ガスなどエネルギー市場は市場原理が支配していた。石油輸出機構(OPEC)による供給制限があっても、石油価格は上昇するが供給が制限されることはなかった。中東危機による供給制限も永続的ではなかった。