現在、奨励会を経て、下から(6級)上がっていかなくても、プロ棋士になれる道が2つある。
1つはアマの全国大会(6棋戦)で優勝すれば、三段リーグの編入試験を受けられ、受かれば三段リーグに4期在籍できる。その間に上がれば、C級2組の四段として棋士になれるというもの。
もう1つは、男性棋戦にはアマや女流の出場枠があり、プロの公式戦で一定の成績(一例は10勝5敗)を残せば、直接棋士(フリークラス)になれる試験が受けられるというものだ。
前者は年間6人の該当者が出るのだが、三段リーグから棋士になるのはとても無理と思うのか、過去ほとんど希望者はいない。実際に入った人も、やはり抜けられずに終わっている。
後者のケースで棋士になったのが、今泉健司五段と折田翔吾四段。2人とも元奨励会員で、三段リーグの経験者だ。この制度のパイオニアが、瀬川晶司六段である。
今回この、プロ試験の資格を得たのが、里見香奈女流四冠だった。棋王戦予選決勝で、古森悠太五段に勝ち、公式戦の成績を10勝4敗としての獲得である。
同時に里見は女流棋士初の、男性棋戦における本戦入り棋士となった。