マスクのありがたみをこれほど実感した映画はない。10日に公開されたアニメ映画「劇場版 からかい上手の高木さん」。気が付くと物語にニヤついている自分がいる。
原作は、累計1000万部突破の山本崇一朗の同名コミック。2018年にテレビアニメ化され、今年1~3月に第3期が放送された。
主人公を見守りながら、アニメファンは「ニヤキュン」するとプレス資料に書かれていた。う~ん! 実によく分かる。いい年をしたおっさんだという自制も機能せず、気を許すとマスクの下で「ニヤ」、でもって胸の片隅で「キュン」。今、原稿を書きながら「ニヤキュン」である。
主人公は中学3年の女子の「高木さん」と男子の「西片」。教室の一番後ろの窓側の席に西片、その隣から「ねえ西片、何してんの?」と柔らかなトーンで高木さんが話しかけるところから始まる。中学生活も残すところ1年。卒業アルバム係は、スマホで写真を撮っている。
高木さんは西片を呼び捨てにするが、西片は「高木さん」と、敬称を抜かない。高木さんは頻繁に西片をからかう。西片のムキになる表情を楽しむように、言葉や態度で攻めまくる。結構、ぐいぐいって感じに。