政府は今月下旬にスペインのマドリードで開かれるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議に合わせた岸田文雄首相と、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の首脳会談を行わない方向で調整に入った。一連の「反日」暴挙へのケジメが付けられておらず、環境が整っていないと判断したようだ。
岸田首相は今月29、30両日に日本の首相として初めてNATO首脳会議に出席する方向だ。会議には尹氏も出席予定で、新政権発足を機に日本との関係改善を目指す韓国側には2019年12月以来となる対面の首脳会談への期待があった。
ところが、韓国側は、尹氏の就任後も、徴用工訴訟や慰安婦問題などで具体的な解決策を示していない。5月下旬には、不法占拠する島根県・竹島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、韓国の調査船が無許可の海洋調査を強行するなど、関係改善に冷や水を浴びせるような行為を続けている。
岸田首相周辺は「韓国はこれまでも約束を守らなかった歴史があり、日本が前のめりになることはない」と話している。