政府が7日に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」に、すべての国民に毎年の歯科健診を義務付ける「国民皆歯科健診」を導入するという方針が明記されました。歯の健康を維持して病気を予防することで医療費を抑制する狙いがあるようです。
歯の病気で虫歯と並んで多いのが歯周病です。歯周病というのは歯茎の部分にバクテリアが感染することによって起きる一種の感染症です。歯の表面にはバクテリアの塊といえる歯垢が付着しています。
この歯垢が歯と歯茎の間のわずかな隙間である歯周ポケットにたまることで起きるのが歯周病です。はじめは歯茎の腫れや出血といった症状ですが、炎症が進むと歯を支えている骨が破壊され始めます。最終的には歯が抜けてしまいます。
現在、45~54歳の日本人の2人に1人は、歯周病の指標となる深さが4ミリメートル以上の歯周ポケットがあります。厚生労働省の調査によると治療を受けていると推測される歯周病の患者数は398万人もいます。
80歳の平均残存歯数をみると、スウェーデンが21本なのに対して日本は13本しかありません。定期的に歯科検診やクリーニングを受けている人の割合をみるとスウェーデンが90%で日本は6%という数字をみればはっきりします。ちなみに定期的な歯科検診の受診率はアメリカでは80%、イギリスでも70%です。