セ・リーグ2位の巨人は首位ヤクルトに7ゲーム差で17日から再開するリーグ戦に突入する。2年ぶり覇権奪回へキーマンとなっているのが日米で豊富な経験を持つ桑田真澄投手チーフコーチ(54)だ。指導者2年目で〝桑田理論〟は世代交代が進むG投にどこまで浸透しているのか。2回にわけてお届けします。(取材構成・片岡将)
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――チーフコーチ補佐として〝診察〟した昨季から、今季はチーフコーチとして〝治療〟をテーマに掲げた。防御率(3・63→3・58)、四球率(3・33→3・13)などは改善傾向にある
「開幕前に予測していたよりも順調に来ています。もちろんシーズンが終わってみないとわかりませんが、投手陣全員がチームの目的と方針を理解して取り組んでいるのが心強いです。例えば制球力の改善に加えて、投球間のテンポも1人当たり平均で1・5から2秒ほど早くなっている。その狙いは野手が守っている時間をできるだけ短くすることです。若い投手にはいつも言うんです。『いいか? ピッチャーは野手に守ってもらって、打ってもらわないと勝てないんだぞ』って。投手はマウンドで孤独ですが、だからと言って一人よがりになってはいけない。野手が守りやすい、攻撃しやすいリズムで投げるのが大事なんです。菅野が先頭に立って1・5秒くらい短くなっているのは嬉しいですね」
――菅野はちょっと長い印象がありました
「そうですね。智之は割と時間をかけながら打者と対峙するルーティンを作り上げてきた。そんな彼がチームの方針を理解してくれているので、コーチとして助かってますね」