ロシアと対峙するバルト海沿岸諸国

エストニア共和国 優れたIT技術で国家安全保障 根強いロシアへの恐怖と不信感、たとえ領土奪われてもサイバー空間で国が存在1/3ページ

エストニアの首都タリンの街並み
エストニアの首都タリンの街並み

バルト三国の一番北に位置するエストニア共和国。人口約133万人、面積4・5万キロは日本の9分の1ほどだ。かつてソ連邦に無理やり組み込まれ、共産主義体制下の弾圧を経験した。ロシアと約290キロの国境を接し、領土問題もくすぶっている。

だからこそ、ロシアによるウクライナ侵攻を批判し、いち早くウクライナへの武器提供を表明した。「明日はわが身」という危機感がある。

エストニアは13世紀頃から、デンマークやドイツ騎士団、スウェーデンの支配を受け、1721年から約200年間もロシアの統治下に置かれた。1918年に独立を宣言したが、ソ連は領土的野心を捨てることはなかった。

エストニアは20年、ソ連と平和条約を締結したが、40年にはソ連に併合されてしまう。その後はナチス・ドイツに占領され、第二次世界大戦末期には再びソ連に占領された。エストニアが独立を回復して国連に加盟したのは、ソ連崩壊の91年だった。エストニア人にとって、ロシアとソ連に苦しめられたことは、忘れることのできない辛い記憶である。

首都タリンにある歴史的な「ソコスホテル」には、かつてのKGB(ソ連国家保安委員会)が使用していた秘密部屋があり、今では「KGB博物館」として一般公開されている。共産主義体制下では唯一、外国人が宿泊できたホテルで、客室での会話はすべて盗聴されていたのだ。

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