米国の5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8・6%上昇と1981年12月以来の高水準となった。
市場の予想8・3%上昇を上回るものだ。前月も8・3%上昇を記録しており、インフレは3月をピークに落ち着き始めているという希望的観測は打ち砕かれた。
インフレの基調を示すといわれる食品とエネルギーを除く「コアCPI」は前年同月比6・0%上昇(前月は6・2%上昇)だった。
5月のCPIの中身をみると、エネルギー価格が前年比34・6%上昇と2005年以来の伸びだった。うちガソリン価格は約49%上昇した。食品は前年比11・9%上昇で1979年以来の伸び。電気代は12・0%上昇と2006年8月以来の伸び。家賃は5・2%上昇で1987年以来の伸びとなっている。
車社会の米国では、ガソリン価格への関心は日本の比でない。ガソリン価格が高いと選挙は負けるといわれる。
ガソリン価格は米国自動車協会(AAA)が毎日発表しているが、6月11日時点で史上初めて全米平均1ガロン=5ドルを超えた。1ドル=134円で換算すると、1リットル当たり176円となる。日本からみてもかなり高いが、米国人にとってはとてつもなく高く感じるはずだ。11月に中間選挙を控えるバイデン政権にとって大きな打撃だ。