先日終了したNHKドラマ「正直不動産」の主人公は設定上、最初はタワマン(タワーマンション)に住んでいたが、「正直」営業しかできなくなった途端に木造の風呂なしアパートに住み替えている。この落差が何ともコミカルだ。
私はもう35年以上も新築マンションに関わる仕事をしているがいまだに理解できないのは、ある種の人々の持つタワマンに対する信仰めいた憧れ的な感情である。
タワマンに住むことは「カッコイイ」ことであり、他人に対して自慢できる住まいであるという感覚だ。
私は京都市内で生まれ、中高大は御所周辺に立地する学校に通った。そのせいかもしれないが、タワマンも含めた超高層建築には、息が苦しくなりそうな圧迫を感じる。ああいった建築が造形的に美しいものとは決して思えないのだ。