日本周辺が騒然としている。ロシアはウクライナ侵攻を続ける一方、海軍艦艇を日本列島を周回するように航行させている。中国は3隻目となる空母「福建」を進水、ミサイル駆逐艦2隻が宗谷海峡を通過した。北朝鮮はミサイル発射を繰り返し、近く核実験を再開する可能性が取り沙汰されている。中露が、岸田文雄首相によるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議出席に激怒しているとの情報がある。事実上、参院選(22日公示、7月10日投開票)に突入した日本を恫喝(どうかつ)するつもりなのか。空母「福建」への機密情報流出の懸念とは。ジャーナリストの加賀孝英氏が最新情報に迫った。
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「官邸が緊張している。中国、ロシア、北朝鮮の3カ国が明らかに〝日本攻撃〟に出てきたからだ。中国による沖縄県・尖閣諸島への上陸や、ロシアによる日本漁船拿捕(だほ)、日本に潜入した北朝鮮工作員による撹乱(かくらん)工作…。何が起きても、おかしくはない。日本は非常事態だ」
外事警察関係者は、こう語った。事実、中国とロシア、北朝鮮の動きは異常だ。以下の通りだ。
■19日、ロシア海軍のウダロイⅠ級駆逐艦など計5隻が、沖縄本島と宮古島の間の海域を抜け、東シナ海へ入った。5隻は、15日に北海道沖から南寄りに移動して、千葉県沖、伊豆諸島を通過し、日本列島を半周するように航行している。
■16日、中国海軍のレンハイ級ミサイル駆逐艦など計2隻が、北海道・宗谷海峡を抜けてオホーツク海に航行した。これらは、中露による「日本威嚇共同作戦行動」だ。
■17日、中国海軍は上海の造船所で、3隻目となる空母「福建」の進水式を行った。同空母は艦載機を発艦させる超ハイテク推進装置「電磁式カタパルト」を搭載する。「台湾・尖閣諸島」強奪の切り札で、日米当局は警戒している。