プーチン氏自身が後継を指名するとの見方もある。出所不明のテレグラムチャンネル「General SVR」は、今月上旬にクレムリンで政権移譲に関する話し合いが行われ、プーチン氏が24年の大統領選を前倒しし、ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記の息子、ドミトリー・パトルシェフ農相を支持するとの情報を公表した。
5月9日の戦勝記念日ではプーチン氏がオリガルヒ(新興財閥)の子息でクレムリンの幹部職員、ドミトリー・コバリョフ氏と親しげに会話する映像も憶測を呼んだ。
前出の中村氏は「穏健派と急進派の台頭で埋没を恐れるプーチン氏は、院政を敷くため後継者指名をしようとしている。農相は存在感が薄く、コバリョフ氏が有力ではないか」とみる。
野党や反体制派ではナワリヌイ氏のほか、元首相のミハイル・カシヤノフ氏らがウクライナ侵攻を批判している。
中村氏は「求心力のあるナワリヌイ氏を脱獄させる動きが出てくる可能性もある。今後は、野党も反戦を旗印に大同団結して、国民的運動につながる可能性もゼロではない」との見方を示した。