79年ぶりとなる年間4度のノーヒットノーランが達成されたが、やられたのはすべてパ・リーグのチームだ。
オリックス・山本由伸投手が18日の西武戦(ベルーナ)で初のノーヒッターを達成。わずか102球(9三振、1四球)で仕留めた。
7勝、防御率1・55と2冠でリーグトップの山本に、パの打者は昨年からやられっぱなし。これには今年の交流戦王者で昨季日本一・ヤクルトのチーム内から「去年の日本シリーズでうちは山本と2回対戦して負けなかった。粘ったり、食らいついたりして、簡単にアウトにならなかった。それを見てなかったのかな?」とパ打者の工夫のなさを嘆く声が挙がっている。
昨年の日本シリーズでヤクルトは、山本に第1戦で6回まで112球(5安打、9三振)を投げさせマウンドから引きずり降ろし、第6戦では9回まで141球(6安打、11三振、2四死球)。ともに1失点も、パでは無敵だった山本を苦しめた。
「日本シリーズの山本は調子が悪かった」と分析するコーチもいたが、ヤクルトの徹底した攻略法はパになかったもの。前出の関係者は「早いカウントから手を出し過ぎる。西武の打撃コーチもいったいどんな指示を出しているんだろう」と首をかしげる。
今季4度のノーヒッターはパが完全試合のロッテ・佐々木朗、ソフトバンク・東浜と山本の3人。セはDeNAの今永だけだが、交流戦の日本ハムが相手だった。近年はいかにバットを強く振れるかが評価されているが、一方で大味な野球となり、その傾向はパの方が強い。
交流戦では初めて2年連続でセが勝ち越し。数年前まではパが圧倒していたが、大きな転換期を迎えているといっていい。