団塊の世代が75歳に達し、日本人の5人に1人が後期高齢者になる2025年まで3年弱。米電気自動車(EV)大手テスラのCEO、イーロン・マスク氏がツイッターに「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ消滅するだろう」と投稿したニュースにも、リアルな不安を感じます。
ただ出生率は下がるばかりで、昨年の出生数は過去最少の81万人に落ち込みました。この状況では、高齢者の健康長寿を延ばすしかありません。
そこで注目されているのがフレイル予防。フレイルとは要介護になる前の虚弱状態を表す言葉で「運動、社会参加、食事」に適切な対策を施すことで予防できるとされています。つまり「ピンピンコロリ」の健康長寿者を増やす有効策となるワケで今、自治体をはじめ各分野でさまざまなフレイル予防策が検討されています。
そんな中、兵庫県西宮市ではアメリカからやってきた美容院「サロンヴィジン・ニューヨーク」がユニークなフレイル予防サービスを始めました。同店は、ニューヨークで約30年間腕を振るった美容師の南田稔さんがオーナーを務める美容院。グローバル感覚を取り入れた美容技術や考え方が人気ですが、その一環として「髪形が整うとアグレッシブになる」というアメリカの考え方を生かして、美容院のチカラで日本のフレイル予防に貢献しようというのです。
南田オーナーは「日本人はもっとキレイになれるし、謙虚だから気軽さも必要。だから店に来てさえくだされば、プロが最も似合う髪形に仕上げます」と言います。確かに日本人は年をとると身だしなみを忘れがち。外に出るのもおっくうになって寝たきりになるケースも珍しくありません。美容院がフレイル予防に貢献できる意味がわかります。