中国が不穏な動きを続けている―。海軍艦隊が日本列島を一周するような特異航行をしたのに続き、中国軍の爆撃機3機が「慰霊の日」(23日)を迎えた沖縄周辺に飛来し、尖閣諸島周辺領海への中国海警局船の連続侵入は過去最長になった。台湾の防空識別圏(ADIZ)にも同日、戦闘機や爆撃機など計22機が進入した。まるで「飽和攻撃」のような事態だ。
「世界の誰もが平和で心豊かに暮らせる世の中を実現するため不断の努力を重ねていくことを、改めて、御霊にお誓い申し上げます」
岸田文雄首相が、沖縄全戦没者追悼式で、こうあいさつした23日、自衛隊や海上保安庁は緊迫していた。
防衛省統合幕僚幹部は同日、中国軍のH6爆撃機3機が同日午後に沖縄本島と宮古島の間の海域を抜け、東シナ海と太平洋を往復したと発表した。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応した。
第11管区海上保安本部(那覇)も同日、尖閣周辺の領海に21日未明からとどまっていた中国海警局の船2隻が、23日午後8時10分ごろまでに領海外側の接続水域に出たと発表した。連続侵入は64時間となり12年9月の尖閣国有化以降で最長となった。