岸田文雄首相は26日午後(日本時間27日午前)、ドイツ南部エルマウで開幕したG7(先進7カ国)首脳会議の初日、中国による東シナ海でのガス田開発などに言及し、軍事を含めた覇権拡大に反対する姿勢を明確にした。こうしたなか、中国海軍の情報収集艦が26日、八丈島付近を通過した。ロシアのウクライナ侵攻に集中する米国の意識を分断させる狙いとの指摘もある。
「東・南シナ海の状況は深刻で、『力による一方的な現状変更の試みは認められない』という原則を確認したい」「ウクライナは『明日の東アジア』かもしれない」
岸田首相は首脳会議でこう主張した。
アジア唯一のG7メンバーとして、インド太平洋地域に言及し、中国による沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入や、東シナ海での一方的なガス田開発を牽制(けんせい)した。
インフラに関する討議では、中国による不透明な開発金融や、中国が債務返済に窮した途上国からインフラ権益を奪う「債務の罠(わな)」が指摘されるスリランカの問題などを提起した。