阪神の近本光司外野手(27)は27日現在、連続試合安打数を23まで伸ばしてきた。プロ野球記録はかつて赤ヘル軍団広島で活躍した高橋慶彦さんが1979年に達成した33試合で、43年ぶりの更新まであと11試合。近本はまだまだ先は長いと無関心を装うが、ナインの間では日ごとに期待は高まっている。
記録がスタートしたのは5月28日のロッテ戦だった。打順は当初の1番から4試合目には3番に変わったが、安打が途切れることはなかった。佐藤輝、大山との新クリーンアップが機能して交流戦では12勝6敗(2位)の好成績。選手会長としてはチームの浮上が何よりうれしい。
これまでで記録上最大のピンチは6月3日の日本ハム戦だろう。第1打席から順に三振、左飛、右飛、二ゴロ併殺に倒れ、8回の猛反撃がなければ試合はそのまま終わるところだった。脅威の逆転劇のお陰で5打席目が回り、右前にダメ押しタイムリー。その他、11日のオリックス戦、17日のDeNA戦でも最終打席で安打を放つ粘りと執念。今季の近本の持ち味である。
ところで現在の23試合連続安打は、68年の藤井栄治外野手に並ぶ球団歴代6位タイにあたる。ちなみに1位は2011年、マートン外野手の30試合。以下、01年、桧山進次郎外野手28試合、1999年、大豊泰昭外野手26試合、83年、バース内野手25試合、97年、和田豊内野手24試合と続く。なかでも強く印象に残るのは史上最強の助っ人と評されたバースである。