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参院選(7月10日投開票)は公示から1週間が経過し、全国各地で舌戦が激しさを増している。報道各社による序盤の情勢分析では「自公与党の優勢」が伝えられているが、「物価高」や「電力逼迫(ひっぱく)」「防衛事務次官人事」などへの不満・不信もあり、岸田文雄内閣の支持率が急落している。今後、野党の盛り返しはあるのか。著名・注目候補の当落は―。中盤戦を迎え、選挙分析に定評のある選挙プランナーの松田馨氏に、全国12激戦区の情勢を洗い出してもらった。
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「大切なことは『自分の国は自分で守る』こと。意思と能力がなければ、日米同盟があっても米国が代わりに戦うわけではありません」「『外交』と『防衛』は車の両輪です。よりよい外交をするためにも防衛力を強化します」
自民党現職の松川るい氏(51)は28日午後、大阪府河内長野市での街頭演説で、聴衆にこう訴えた。
軍事的覇権拡大を進める中国、ウクライナに侵攻したロシア、核・ミサイル開発を加速する北朝鮮に囲まれ、日本の安全保障環境は日々厳しさを増している。松川氏は、自民党が公約に掲げた防衛費のGDP(国内総生産)比2%以上の重要性も説いた。
大阪選挙区は、改選定数4人に18人が立候補した全国屈指の激戦区。地元の日本維新の会が2012年の結党以来、圧倒的な強さを誇っている。同党の松井一郎代表も「われわれは大阪で実績がある。他党の攻勢も受けて立つ」と意気込み、高木佳保里氏(49)と浅田均氏(71)の現職2人を擁立した。
一方、自民党は昨年の衆院選で、候補者を立てた大阪の15選挙区で全敗した。16年の初陣でトップ当選を果たした松川氏の危機感は強い。
この日、松川氏の応援に安倍晋三元首相が駆け付けた。
安倍氏はまず、「大阪の自民党を復活させる、のろしを上げる選挙だ」とぶち上げた。安全保障政策や憲法改正を熱弁し、「日本を守るため命を懸けて戦うのは自衛隊の皆さんだが、憲法には明記されていない。(左派勢力は)『憲法違反』と言いながら、いざというときは頑張ってもらうというのはおかしい。この状況を変えていかなければならない」と訴えた。