山形選挙区(改選定数1)は事実上、3選を目指す国民民主党の現職、舟山康江氏と、自民党の新人、大内理加氏の一騎打ちの様相だ。ただ、両党ともドタバタ劇があっただけに、その後遺症が、どのように影響するかが注目されている。
一連の経緯を、自民党関係者が明かす。
「自民党の遠藤利明選対委員長は当初、自身の地元にもかかわらず、独自候補を擁立せずに、舟山氏に相乗りするつもりだった。ところが、党内や地元から、『独自候補を立てないなら、参院選全体に悪影響が出る』などと批判が噴出した。揚げ句の果て、『独自候補を擁立できないなら、遠藤氏のクビを獲れ』という物騒な話も出始めた」
遠藤氏はなぜ、「舟山」に乗ろうとしたのか。関係者が続けた。
「山形はもともと、自民党が強い地域だったが、2009年の民主党政権誕生ごろから野党が強くなった。原因の1つは、『将来の自民党総裁』とも言われた鹿野道彦元農水相の存在だ。党内抗争の末に離党して、野党陣営に走った。また、自民党が13年、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)加盟にかじを切ったことも大きい」