米大リーグ機構(MLB)のマンフレッド・コミッショナーが、2024年から投球の機械判定を導入する方向だと明らかにした。スポーツ専門局ESPNが29日、報じた。ストライク、ボールの判定を機械で行い、音声を受信した球審がコールする仕組みなどが検討されている。
機械による投球判定は、これまでマイナーリーグなどでテスト運用が行われており、1試合の平均時間が9分短縮されているという。同コミッショナーは「われわれの機械判定システムはうまく機能している」と自信を示した。
今季もエンゼルスの大谷翔平(27)はボール、ストライクの判定で再三不満な表情を見せる場面があった。正確な判定につながるならばメリットはあるが、急激なハイテク化に違和感を覚えている選手、関係者もいる。
大リーグでは試合への電子機器導入が進みつつあり、今季からバッテリーのサイン伝達にも「ピッチコム」が採用されている。捕手が球種情報を手首につけた発信器のボタンを押して送り、投手が帽子の中に埋め込んだ受信機で音声情報として受け取る仕組み。
大谷も今季8戦目の登板となる5月26日(同27日)のブルージェイズ戦から、走者を二塁に背負ったときに採用している。音声を聞き取りずらそうにしている様子もあるが、運用について「違和感ありますけど、思ったよりスムーズ」と話している。
大谷の投球については、6月2日(同3日)のヤンキース戦で打ち込まれた後、「球種がばれている」とマドン前監督が話して話題になった。このときはピッチコムのワイヤレスの調子が悪くなるアクシデントもあり、現在のスポーツでは補助機器の技術的な問題とも付き合う必要が生まれている。