10日に投開票を迎える参院選では、政見放送やSNSを駆使した独特の戦いを見せる政党も少なくない。新興勢力がネットやメディアを使って展開するユニークな選挙戦に迫った。
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2019年の参院選では受信料を支払った人だけが視聴できる「NHKのスクランブル放送化」を公約に1議席を獲得したNHK党は、今回、消費税や社会保険料の引き下げ、防衛費の増額、児童手当の所得制限撤廃などの政策も掲げている。
注目を集めているのが政見放送だ。候補者本人や立花孝志党首が投票を呼びかける映像の最後に、著名人の秘密を暴露する動画で知られ、同党から比例代表に立候補している「ガーシー」こと東谷義和氏が登場する。
東谷氏のメッセージでは「ショート暴露」として芸能人や実業家ら著名人をイニシャルで取り上げ、女性関係や未成年飲酒などのスキャンダルを暴露する内容もある。
政見放送では相談を直接受け付けるコールセンターの電話番号を公開しているのも特徴だ。
NHK党の広報担当者は「放送開始から電話が殺到しており、当初の営業時間を撤廃して24時間体制に切り替えた。一部の候補者には街頭での活動を中断してもらい、コールセンターの応援を依頼するほどの反響だ」と語る。