新型コロナウイルスの感染者数が急増している。変異株オミクロン株の新たな派生型「BA・5」への置き換わりが進んでいるという。行動規制は緩和され、ようやく社会経済活動も活発化してきたが、また自粛生活に戻ってしまうのか。
3日の東京都の新規感染者数は3788人で、前週の日曜日より1800人増加した。
厚生労働省のデータによると、6月29日までの1週間に確認された全国の感染者数は前週比1・7倍だった。BA・5の占める割合は24%で、京都大の西浦博教授は「BA・5への置き換わりが主な理由だと考えられる」と指摘する。
「感染の波」が再び襲うのか。東北大学災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は「ワクチンの効果低減や行動制限の緩和などさまざまな感染増要因が考えられるが、急激な波は起きないだろう。第6波があった2月時点のデータでは、高齢者にとってはインフルエンザの3~4倍の毒性だったが、今は同等かそれ以下かもしれない。少なくても若年者の感染者の症状を見る限り、すでにかぜレベルに近い」と解説する。