東京の新築マンション市場は長らく都心エリアが中心であった。業界で「都心5区」というと千代田、港、中央、渋谷、新宿になる。
最近、この都心5区での供給が少なくなっている。港区や中央区では大規模物件が出てきているので、供給戸数はそれなりにあるが、物件数が少ない。
一方、東京23区では外縁部にあたる練馬や大田、足立、葛飾と言ったエリアでの供給が増えてきている。
その背景には、都心5区ではマンション開発用の土地価格が上がり過ぎて、デベロッパーが買えなくなっていることがありそうだ。それで、値上がり幅が小さかった外縁部での供給が増えてきたのだろう。今年4月に生産緑地法の期限がいったん切れた影響もありそうだ。
ただ、そういった外縁部でも新築マンションの販売価格は床面積の坪単価あたり300万円前後まで上昇してきている。10年前なら、山手線内側の文京区の相場観だ。
販売価格にすると20坪(約66平方メートル)の3LDKが6000万円前後となる。10年前の感覚なら、立派に高級物件。年収1000万円以上の準富裕層が販売ターゲットだった。