中国が、沖縄県・尖閣諸島への野心を強めている。中国海警局船による尖閣周辺海域への航行が4日で80日連続となった。習近平国家主席が今秋の党大会で「政権3期目」を狙うなか、実績をアピールするための「台湾有事」「尖閣有事」の危機が警戒されている。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、尖閣周辺の領海外側にある接続水域で4日朝、中国海警局の船4隻が航行しているのを、海上保安庁の巡視船が確認した。1隻は機関砲のようなものを搭載していた。領海に近づかないよう巡視船が警告した。4隻は3日も接続水域で確認されており、そのまま留まっているという。
習氏は1日、香港返還25年の記念式典で、抗議デモの弾圧など、市民の自由や人権を踏みにじる政策を無視して、「『一国二制度』は香港で世界が認める成功を収めた」と語った。習氏は、台湾にも「一国二制度」の適用を発信しており、「台湾有事」の危機は高まっている。
「台湾有事」は「尖閣有事」に直結すると懸念されるなか、中国海警局船2隻が6月21~23日にかけて、2012年9月の尖閣国有化以来最長となる64時間にわたって、日本領海に侵入した。23日は沖縄の「慰霊の日」と重なり、意図的な挑発といえそうだ。