〝太ったきつねうどん〟をご存じでしょうか?
先週と同様の書き出しです。今回は『ひとりこっそり・カスタマイズ・グルメ』の続き。注文したものが運ばれてきたら、具材の場所を置き換えたり、薬味や調味料で絵を描いたりして、新たなオリジナルメニューにしてしまうという密かな大人の遊びです。
で〝太ったきつねうどん〟とは何か…その始まりは『はなまるうどん』でした。薄揚げや天ぷらなどの具があらかじめうどんに乗せられて提供される一般店と違い、セルフ系の店は別皿で具を取るのでカスタマイズに最適です。
というか、ハナっから「自分でカスタマイズしてください」というシステムですね。ただ、ここで既成の思考回路をいったんゼロにして、新たな発想でこれまでにないものを創作する、それがポイントです。
かけうどんに甘辛いお揚げさんが乗ったものがきつねうどん。ならこうすればどうだ、とひらめいた私は「かけうどん」を注文し、セルフのおでん種コーナーから厚揚げをとって皿に乗せました。そして、レジを済ませると、テーブルについておもむろに厚揚げをうどん鉢に乗せる。〝太ったきつねうどん〟誕生の瞬間です。「え? 何してんの? うわぁ」と言われるのが鬱陶しいので、もちろんソロ入店。ひとり・こっそり・密かな楽しみの所以(ゆえん)です。
そんな遊びは止どまるところを知らず、いろんな店で卓上にある薬味を吟味し、新手の料理にトライする日々。で〝家系アート〟という、ひとつのジャンルが生まれたのが、ラーメンの人気系統のひとつ『横浜家系』でした。