「7・10参院選」で、長野選挙区(改選定数1)が大激戦となっている。事実上、元TBSキャスターで、立憲民主党現職の杉尾秀哉氏に、タレントで自民党新人の松山三四六(さんしろう)氏が挑む、「令和の川中島の戦い」だ。報道各社の情勢分析では、「拮抗(きっこう)」「横一線」「大混戦」と見られていたが、最終盤で、松山氏に「文春砲」と「新潮砲」が炸裂(さくれつ)した。現地で両候補を取材した。 (報道部・海野慎介)
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「日本、信州ほど整っている土地はありません」「産業が生まれ、経済が発展して仕事が生まれ、スタートアップ企業がバンバン立ち上がれば、若者も増えてきます。信州が日本一になれば、国に資する県になれる」
松山氏は6日夕、同県安曇野市のJR明科(あかしな)駅前で、100人近い聴衆にこう訴えた。
長野は、リベラル色が強く、羽田孜元首相のおひざ元でもあり「民主王国」といわれた。公示直後は杉尾氏優勢とみられたが、選挙戦が進むにつれ、松山氏の猛追が目立った。
松山氏は、地元のラジオパーソナリティーとして知名度が高い。選対関係者は「街頭演説には、想定の1・5倍ほどの人が集まってくれる。組織の動員以上に、SNSなどを見た無党派層が来てくれる印象だ」という。