今大会は2019年までの新型コロナウイルス感染症拡大以前の甲子園が戻って来るという期待の中で本番に向かっていました。しかし、残念ながら今月に入り4校に集団感染が確認されました。現状は日程の工夫で療養期間を設けて試合に臨む形となりました。
選手たちは不安の中で日々を送っていることと思います。浜田、帝京第五、有田工、九州学院、みな全国のみなさんに見て頂きたい好チームです。その中の一校の話題を紹介させて頂きます。
高校野球実況43年目、今年も全国を目指す戦いを実況しました。7月上旬、藤崎台球場を訪れました。野球どころ熊本のこの夏の注目度ナンバーワンは、九州学院の四番打者、村上慶太です。打席に向かうたび、スタンドから大きな拍手を背に受けていました。
そうなんです。この村上は先日、プロ野球新記録の5打席連続ホームランの快挙を達成したヤクルトスワローズの村上宗隆の弟なのです。兄と同じ左打ちでサイズにも恵まれています。九州学院の縦縞のユニフォームが一層、長身を強調していました。兄より2センチ高い190センチ。体重は3キロ少ない94キロ。いろいろと兄と比べたくなりましたが、打席を見ていたらその場でライトへクリーンヒットを放って見せてくれました。十分な力感がある上に柔らかいスイングをしていて、「打つ姿が実にいいなぁ」という印象でした。
熊本大会の成績は5試合で18打数4安打1打点本塁打ゼロで打率・222と苦しんでいました。それでも決勝戦で先制点を叩き出したり、四球を選んで繋いだりと大切な場面で貢献していましたし、打球速度が速く、ファールでは目を見張るような飛距離を出していました。九州学院は投守攻走バランスが良く戦力は整っています。村上の調子さえ上がって来れば鬼に金棒です。そして臨む甲子園球場では…。