沖縄の石垣島に行った。遊びではなく仕事なのが残念だ。二泊三日で、自由時間はほとんどなく、取材と撮影。朝は5時半起き、夜は民謡酒場の取材飲みまでして、宿に帰るのは深夜だ。
でも、好きなことはできなくとも、睡眠時間は少なくとも、島はいい。南の島ならなおさらいい。島には島時間が流れていて、あくせくさせない。
午後着いて、最初に食べたものがこれである。
「おにぎりかまぼこ」だ。
まず、本土から来たボクとしては、その発想がない。
なんと、かまぼこで、おにぎりを包もうというのだから。無謀じゃないか?
ボクはこれを空港で手渡された。お昼だし。車が来るまで、これを食べてくださいと。
真っ黒いのと、少し茶色みのある白いの。
なんだろう。ビニール袋越しに触ると少しかたい。つるんとしているのは、油のせいか。滑らかな触り心地だが、柔らかい凸凹もある。中身は予想がつかない。
まず黒いほうから食べた。
齧り付くと、前歯に少し弾力を感じ、噛みとってみると、黒い皮に包まれた黄色いごはんが。とたんにぷ~んと、カレーの匂いが鼻腔を襲った。カレー、強し。カレーの香りを嗅ぐと、いつなんどきも腹が減ってくる。