11日初日の大相撲秋場所。先月29日に発表された新番付で、コロナ禍の先場所で勝ち越し、負け越しも決まらぬまま途中休場した力士の扱いもさることながら、筆者が最も注目したのは元大関朝乃山(28)の番付だった。
6場所出場停止という厳しい処分が明けた名古屋場所では、三段目22枚目で7戦全勝優勝。秋場所は幕下20枚目前後と見られていたが、フタを開けると東幕下15枚目にその名があった。予想以上の大ジャンプだった。15枚目は全勝なら翌場所最優先で十両昇進という番付編成の内規がある。朝乃山が幕下でも連続全勝優勝なら、今年最後の九州場所には関取として復帰できることになる。「15枚目にいる、いないでは番付1枚でも雲泥の差がある。仮に16枚目で全勝しても十両には上がれない。朝乃山の力をもってすれば、年内の関取は十分可能性がある」とある親方はいう。
先月23日、元横綱白鵬の宮城野親方が部屋の十両炎鵬、北青鵬を連れて高砂部屋に出稽古にやってきた。鳴戸部屋の欧勝馬も加わった申し合いでは朝乃山が圧倒した。小兵炎鵬には1勝2敗と手こずったが合わせて15勝4敗。朝乃山に激励の言葉をかけた宮城野親方は「ものが別格だな、という感じだった」と評価した。
