1945年の日本の敗戦によって、戦前の財閥は解体された。だが、江戸期の越後屋にルーツを持つ三井や、蘇我理右衛門が学んだ精練技術「南蛮吹き」に遡(さかのぼ)る住友などの財閥は、1951年の財閥解体に関する諸法令の廃止によって息を吹き返し、現在でも大きな力を持っている。
結束は戦前と比べて緩やかだが、同様に「緩やかな財閥」かのように躍進していると考えるのがトヨタグループである。
1926年の豊田自動織機製作所(現・豊田自動織機)からスタートしたことはよく知られるが、現在ではその豊田自動織機を含む主要17社のグループ企業を擁する。
特に注目されるのが、バフェットも投資した5大総合商社と並ぶ豊田通商である。売上高では、5大総合商社に引けをとらない。重要なのは、もはや「トヨタ自動車の商社」だけではないということである。トーメン、加商という有力商社と統合しただけではなく、フランス最大の商社CFAOを完全子会社にした。
トヨタ通商はアフリカの英語圏における自動車ビジネスなどに強かったのだが、それに加えてフランス語圏の医薬品ビジネスなどを取り込んだのだ。しかも、EV(電気自動車)バッテリーに必要なリチウム資源の権益をしっかりと確保した。