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次の新幹線は四国、山陰、東九州? 路線「格上げ」目指し活発な動き 国土交通省は「各整備計画路線の整備にめどを立てることが最優先」

JR出雲市駅前の新幹線整備を訴えるポスター
東九州新幹線のポスターを持つ大分県の職員=大分市
四国への新幹線誘致を訴える香川県の池田豊人知事=香川県庁

北陸新幹線の金沢―敦賀(福井県)が今年3月に延伸開業した。新幹線の整備計画路線のうち唯一建設中は北海道の新函館北斗―札幌。開業は2030年度末の目標が数年遅れる見通しだ。未着工は九州・長崎ルートの新鳥栖―武雄温泉(いずれも佐賀県)、北陸の敦賀―新大阪を残すだけとなっている。

次はどこを整備するのか。新幹線の基本計画路線を抱える自治体からは「地方創生のためには必要」などと整備計画への格上げに対する期待が高まる。約50年の塩漬け状態から脱却できるのか。

▽災害に強い

未着工のうち敦賀―新大阪は与党のプロジェクトチームが年内にルートを3案から絞り込み、25年度末までの着工を目指す方針だ。ほとんどがトンネル区間で工期は最長で約28年、建設費は最大約3兆9000億円と想定されている。

これに対し、リニア中央新幹線の例もあり地下水への影響に対する懸念は京都市内で強い。整備は京都府にとって経済的なメリットは見えにくく盛り上がりはいまひとつ。新鳥栖―武雄温泉は佐賀県の反対から着工のめどは立っていない。

敦賀―新大阪の工事が本格化すれば国の予算の余裕はなく、場合によっては数十年も待つことに。格上げを求める自治体にとっては、最後のチャンスとも言える。

「四国は唯一新幹線がない。格上げから着工まで早くても10年はかかる。今からアピールしておかないと永遠にできない」。香川県の池田豊人知事が危機感を示す。

四国を通る新幹線の基本計画路線は、四国(大阪―大分)と四国横断(岡山―高知)がある。四国知事会は岡山からのルートを優先、4県の県庁所在地を結ぶ新たな「四国新幹線」を提案する。

池田知事は「鉄道も走る瀬戸大橋は新幹線も通れる。それを活用すれば実現可能性は高い。南海トラフ巨大地震の際、四国の在来線の復旧には数年必要となるので、災害に強い新幹線が不可欠です」とアピールする。総事業費は1兆5700億円。岡山からどう整備していくかは、格上げ後に決めるよう求めている。

松江市には山陰と中国横断(伯備)の基本計画路線がある。それぞれ沿線となる市町村などが中心に整備を要望している。松江市は「国と国会議員に定期的に要望活動しています」とする。

伯備の場合は四国の新幹線と同様に、岡山県の自治体をどう巻き込むかが格上げの課題だ。岡山県は整備に負担が求められる一方、効果はあまり期待できない。長崎ルートに難色を示す佐賀県も同じ構図だ。整備のボトルネックをつくらないためにも、事業費など地元負担の軽減策も議論する必要があるだろう。

▽地域間競争に勝つ

九州では東九州新幹線の整備計画路線への格上げが焦点だ。基本計画は福岡(博多)から大分、宮崎を経由して鹿児島に至るルートだ。

大分県の佐藤樹一郎知事は23年11月、全県での機運醸成を図ろうと、博多から大分までの区間について、北九州市の小倉から海沿いに大分まで下がる日豊線ルートと、佐賀県の新鳥栖から内陸を通り大分に至る久大線ルートの所要時間や事業費などの推計結果を公表した。

博多―大分の所要時間はいずれも半分以下になる。概算事業費は発表後に修正され約9000億円。佐藤知事は「人口減少の時代に新幹線を整備することの必要性や調査結果について説明会などを開き、機運を高めていきたい」と述べている。

県の担当者は「地方創生が叫ばれる中、整備が進んだ県では、新幹線効果もあって経済が活発化した。地域間競争を勝ち抜くためには新幹線、高速道路という広域交通ネットワークの充実が不可欠だ」と訴えた。

宮崎県は東九州新幹線鉄道建設促進期成会の会長県となっている。新幹線は自然災害に対する代替補完ルートの確保、災害に強い国土づくりに向けた基礎になるとして格上げを要請する。

さらに大分県の取り組みを参考に大分から宮崎への日豊線、熊本県の新八代から宮崎、鹿児島中央から宮崎の3ルートについて、所要時間や事業費などを調査している。

3ルートにした狙いについて県の担当者は「まず県内全体の取り組みになるように機運を醸成できれば」と説明した。

整備新幹線の在り方について政府は2023年の「骨太方針」に「今後の方向性について調査検討を行う」などと明記した。基本計画路線を抱える自治体はこれを前向きなシグナルと捉える。

一方、国土交通省は「各整備計画路線の整備にめどを立てることが最優先」が基本スタンスだ。整備新幹線に充てる予算(国費)は毎年ほぼ同じで24年度は約800億円。北海道新幹線で手いっぱいであり、新規路線は難しいとする。

国が進める1万4000キロの高速道路網はほぼ完成しつつある。未整備の新幹線網については、国の基本方向がなく、自治体側は先が見えないため「夢」として建設を要望するしかない。人口減少、地域の活性化などの要素を勘案し、やめるのかも含め国全体で真剣に議論すべきである。

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