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羽生善治九段も戦う犬の難病メラノーマ、広がる共感と最新治療の今

羽生善治九段がX(@yoshiharuhabu)に投稿したルーク君とのツーショット写真

将棋の羽生善治九段(55)が24日、自身のX(旧ツイッター)に投稿した、愛犬の闘病に関するポストが大きな反響を呼んでいる。

羽生九段の投稿の全文は以下の通りである。

私事で恐縮ですが、家族のルーク君が悪性メラノーマになってしまいました。高齢犬でありゴールデンレトリバーという犬種でありながら大変長生きし、目標の眠っているうちにお空へ旅立つ通称ピンピンコロリに違いないと確信していただけに残念です。 しかし、できる限り再発転移を遅らせられるよう家族一丸となり頑張るつもりではあります。 全国の愛犬の悪性黒色Malignantmelanomaと戦う皆様、 ともに頑張りましょう。

高齢でありながら大変長生きしていた愛犬の「ルーク君」が、悪性メラノーマ(悪性黒色腫)を発症したことを公表したのだ。「眠っているうちに旅立つこと」と願っていたにもかかわらず、思わぬ病気に見舞われたかたちだが、「できる限り再発転移を遅らせられるよう家族一丸となり頑張るつもり」と前を向き、全国で同じ病と戦う飼い主に向けて「ともに頑張りましょう」とエールを送った。

この投稿に対し、SNS上では同じく愛犬をメラノーマやがんで亡くした飼い主、現在進行形で闘病中の飼い主から、数多くの共感や励ましの声が広がっている。漢方治療の選択肢や、大学病院で行われている免疫チェックポイント阻害薬を用いた臨床試験の情報など、具体的なアドバイスや体験談も集まり、温かい連帯の輪が広がっている。

早期発見が命運を分ける、犬の「メラノーマ」とは?

メラノーマ(悪性黒色腫)とは、色素を作る細胞(メラニン細胞)ががん化する悪性腫瘍である。

ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバー、ミニチュアダックスフンド、プードルなどに多く見られる病気だというが、犬の場合は特に口腔内(口の中の粘膜や歯肉)に発生しやすく、爪の付け根や皮膚などにも見られる。人間のメラノーマとは異なり紫外線との関連性は低く、遺伝的要因などが影響していると考えられている。

この病気の最大の特徴は、「極めて進行が早く、転移しやすい」という点だ。あっという間に周囲の組織へ広がり、早い段階でリンパ節や肺へ遠隔転移を起こすため、いかに早く気づけるかが命運を分ける。

外科手術と放射線――局所を抑える「基本の治療」

治療方法として、まず挙げられるのは「外科手術による切除」だ。がんが局所にとどまっている場合、最も効果が高いという。ただし口腔内の場合は、腫瘍を完全に切除するために顎の骨の一部を一緒に削るという大規模な手術になるケースも少なくない。

手術での完全切除が難しい場所にある場合や、高齢で麻酔のリスクが高い場合に選ばれるのが「放射線治療」。メラノーマは比較的放射線が効きやすい(感受性がある)腫瘍とされており、腫瘍の縮小や痛みの緩和など、愛犬の生活の質(QOL)を維持する上で大きな役割を果たす。

東大が挑む「最新の免疫療法」と、QOLを支える選択肢

メラノーマは目に見えないレベルの微小転移を起こしやすいため、手術後の再発・転移予防をいかに行うかが最大の課題となる。

そこで近年、新たな希望として注目されているのが「免疫療法」だ。

現在、東京大学附属動物医療センターなどで「免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体)」を用いた臨床試験や治療が進められており、選択肢の幅は確実に広がりつつある。

また、体への負担を考慮して漢方薬やサプリメントといった代替医療(統合医療)を取り入れる飼い主も増えている。これらについては科学的根拠(エビデンス)にばらつきはあるが、かかりつけの獣医師と相談しながら本医療と併用することで、愛犬の食欲や元気を維持し、穏やかな時間を引き延ばすための一助として活用されている。

愛犬と家族が「後悔のない時間」を過ごすために

犬のメラノーマは、飼い主にとって極めて厳しく、スピード感を求められる戦いだ。しかし、医療の進歩によって「打てる手」は確実に増えている。

羽生九段の投稿と、そこに寄せられた温かいリプライの数々は、同じ病に立ち向かう多くの飼い主の精神的な負担を癒やす支えとなることだろう。愛犬の年齢や状態、そして家族のライフスタイルに寄り添いながら、QOL(生活の質)を最優先にした「後悔のない選択」をしていくことが何よりも大切なのだ。

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