【介護離職に備えよ】「親の変化」帰省時に観察を 早めに把握→対策で介護離職を予防

 年末年始に帰省した際などに、親の生活ぶりを観察することを忘れないでほしい。普段一緒にいると慣れてしまって気付かないことも、たまに会うと、「あれっ、どうしたんだ?」と変化に気づきやすい。「なんだか変わった」と感じたら、その印象を放置せず、対策につなげていくことが大事なのだ。

 筆者の知人のAさん(40代)は一昨年末、実家に帰って衝撃を受けたという。帰省前、離れて一人暮らしをする80代の母親が自宅で転んだと聞いていた。心配になって電話したが、「お医者さんに診てもらっているし、特に問題なさそうだから安心して」と言われて疑わずにいた。ところが、いざ帰省してみると、それまで背筋がピンと伸びて姿勢のよかった母親の腰は90度曲がり、見るからに衰えを感じたという。

 Aさんの母親は、責任ある仕事を任されて忙しくしているAさんに心配をかけまいと、あえて「安心して」と言ったのだと思われるが、その母親の姿に驚いたAさんは、自身の帰京と同時に母親を東京に呼び寄せ、信頼できる医師に診せたという。その結果、母親は今はすっかり元気を取り戻し、Aさんの住まいに近いサービス付き高齢者住宅で同郷の友人と楽しく暮らしているという。

 読者の皆さんも、帰省の際は親の変化を観察するよいタイミングなので、気をつけて見てほしい。そのポイントは以下の2点である。

 ・どこかにつかまりながら歩いていないか?

 ・何かをすることにおっくうになっていないか?

 こうした現象が起きるのは、加齢にともなって親の身体機能が低下していることが大きな原因。何かをするのにおっくうになるのは、動作一つひとつに時間がかかるためだ。入浴が面倒になったり、布団の上げ下ろしができなくなったりしているケースが考えられる。

 もともとお風呂が嫌いな人が入浴したがらないのは身体機能の低下とは考えづらいが、きちょうめんできれい好きだった親が「風呂に入るのを面倒くさがるようになった」「布団を敷きっぱなしにしている」「食卓や台所にモノが散乱している」という場合は、注意が必要だ。

 親の変化を早めに把握し、対策を講じることも介護離職予防の肝である。

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 ■大澤尚宏(おおさわ・たかひろ) オヤノコトネット(www.oyanokoto.net)代表取締役。1995年に日本初の本格的バリアフリー生活情報誌を創刊。2008年、「そろそろ親のこと」(商標登録)をブランドにオヤノコトネットを創業し、「高齢期の親と家族」に関わるセミナー講師や企業のマーケティングアドバイザーとして活躍している。